タイトリストのYouTube以前の名作ドライバーとは?
タイトリストといえば以前は数字3桁のドライバー名でした。その中でも特に、910・913・915——この3つのドライバーは、これまでの玄人向けのタイトリストからちょっとだけアベレージゴルファーにも歩み寄ってくれて人気を得たモデルではないでしょうか。
YouTube以前のゴルフクラブ史ではドライバーだけにしようかなと思っていましたが、このシリーズはフェアウェイウッド(FW)とユーティリティ(UT)も良かったので紹介します。特にFWとUTは今でも使えると思います。
910シリーズ(2010年)|実直な完成度
タイトリスト初の可変スリーブ「SureFit Tour」を搭載したのが910シリーズ。910D2は高弾道・直進性重視、910D3は操作性・低スピン設計と、アスリート向けモデルとして人気を集めました。
何よりも構えたときのフェースの座りが良く、「叩ける顔」「構えた瞬間に信頼できる」と多くの上級者に支持されました。飛距離で驚かせるタイプではなく、安定感と狙いやすさで魅了するモデルです。

910D2/D3ドライバーは、初の可変スリーブ「SureFit Tour」搭載で話題を集めましたが、同年登場の910F(FW)、910H(UT)も高く評価されています。
- 910F:構えやすく、ややディープフェース気味で風に強い中弾道。
- 910H:コンパクトでアイアンライクな抜け。操作性抜群。


この後の913、915も評価は高かったのですが、それでも「910は良かった」というお客様が多かった印象です。
913シリーズ(2012年)|内部構造刷新とやさしさの進化
見た目がかっこよくなりました(個人の主観になります)。910Dの方が良いという意見も多かったですが、これも全然良いドライバーでした。てか見た目がめっちゃカッコいい。ブラックにホワイトとレッドのタイトリストカラーがしびれます。意外とこれ以降無いんですよね。
特に913D2は、アマチュアでも扱いやすく、つかまりすぎない安定した弾道が魅力。プロモデルでありながら、中級者でも十分に使えるやさしさを備えたバランスの良いドライバーでした。

フェアウェイウッド、ユーティリティもカッコよかったですね。
- 913F:打感がさらにマイルドに。高弾道設計になり、球が拾いやすくなった。
- 913H:スイートエリア拡大で、やややさしく。弾道の高さと直進性が向上。


この時代はまだクラブの機能の数値化、というところでまだ一般的に浸透しておらず、どこがいいのかわかりづらかったと思います。なのでジェイルブレークとか300yスプーンとかスピードポケットとかキャッチーな名前をつけて機能を際立たせていたと思います。マーケティング上手なテーラーメイドやキャロウェイに比べて性能が見えないのがタイトリストって感じでした。そんなギミックなんかつけなくていいんだよ、ってスタンスですかね。
915シリーズ(2014年)|飛距離性能の解放
ただ、そんな玄人向けでカッコいいタイトリストにひとつだけ弱点がありました。それは「飛ばない」という事です。ハイ、致命的ですね。タイトリストの方も、「飛ばすクラブではなく狙うクラブ」といったことを仰っていたので、飛距離特化型に追従するつもりはなかったのでしょう。しかしそれでは一般ゴルファーの心をつかむことは出来ません。そこで915Dでは、それまでの「タイトリスト=飛ばない」というイメージを覆してきました。若干打感は硬いですが飛ぶようになりました。ただ私はこのデザインがあまり好きではありませんでした。

ドライバーに搭載されたアクティブリコイルチャネル(ARC)は、YOUTUBE以前のゴルフクラブ史②で紹介したいわゆるスピードポケットです(笑)。今でいうカーボンクラウンに追従した感じでしょうか、当時は各社スピードポケットを搭載していました。フェアウェイウッドとユーティリティにも採用されました。
- 915F:ARC搭載でフェース下部でも初速が出る。地面からでも十分な飛距離。
- 915H:優しさと強弾道を両立。打感がさらに柔らかくなり、音も好印象。


なぜこのシリーズは今でも評価されるのか
この3シリーズに共通するのは、構えやすい顔・クセのない打感・ミスに強い設計です。どのモデルも「左が怖くない」「無理に捕まえに行かなくてもいい」という安心感があり、操作派ゴルファーからの評価が非常に高いのが特徴です。
また、どれも大きくモデルチェンジをしていない点も評価のポイント。「変えないことが信頼」というタイトリストらしさが、ユーザーの支持を集めてきました。
ちなみにこの後に917シリーズも出してきました。私的にはグッとくるデザインだったのですが、あまりヒットしませんでした。2016年発売だったので、EPICで盛り上がってた最中だったかなーと調べてみたら、こちらはEPICより一年前でした。やっぱり飛ばなかったんだと思います。あとこのウェイトが斬新すぎた。

中古市場でも根強い人気とコスパ
910・913・915シリーズは、中古市場でも常に一定の需要があります。状態の良いものなら1万円前後で手に入り、シャフトを替えても2万円以下で十分戦えるスペック。さすがに状態の良い中古にお目にかかる機会は少なくなってきました。あとスリーブがまだ一回も変わっていないというのもポイントです。古いシャフトだと安く手に入る、といういいところもあります。
流石に最近のクラブに比べると飛距離が若干見劣りするところが無くもないですが、ゴルフ場で使うとすると誤差の範囲に収まるような気がします。特にヘッドスピード40〜45m/sのプレイヤーには今でもフィットする性能を持っています。ティショットの安定性を求めるゴルファーには、十分な価値がある一本です。
- 統一された構え感:ドライバー〜FW〜UTまで、全体での流れが美しい。
- つかまりすぎない設計:左ミスが出にくく、フェード系プレイヤーにも安心。
- 中古市場での状態が良い:丁寧に扱われていた個体が多く、入手しやすい。
YouTubeやSNSに頼らずとも、“使って感じる完成度”があるシリーズ。それがタイトリスト910〜915です。
過去の名器を持って回るラウンドも楽しいかも。
YouTube全盛の今、レビューがなかったがゆえに埋もれてしまったクラブも多く存在します。しかしタイトリストの910〜915シリーズは、評価を必要としないほどの評価を持っていると思います。
操作性・構えやすさ・打感・音——どれを取っても「ゴルフクラブとしての美学」が詰まっている3部作。派手なギミックではなく、本質的な性能で勝負するその姿勢に、多くのゴルファーが信頼を寄せました。
このシリーズこそ、YouTube以前の“本物の名器”。ぜひ一度、構えて、振って、その違いを体感してみてください。
タイトリストのゴルフクラブは一貫した設計思想が流れています。流行に流されず、必要な要素だけを実直に積み重ねてきたその姿勢は、まさに“ゴルフクラブの本質”を追求したもの。
中古ショップで見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。特にFW、UTは今でも使えると思います。ちょっと新しいクラブも飽和状態、、、って方も一度こういう中古の名器を使ってみるのもいいかもしれませんね。

